トップへ トップへ  当NPO概況  資料  リンク
イベント情報 投稿記事 狭山事件 差別事件 クローブアップ オススメ コラム
2003年度和歌山市子ども会青年・シニア交流会
和歌山市子ども会連絡協議会様から、「子ども会青年・シニア交流会」についての投稿がございました。
インドのダリット(被差別階級)の村を訪れた様子を、6ページにわたり掲載致します。

和歌山市子ども会連絡協議会様からの投稿



 は じ め に


今年度は、ダリットに対する差別について、インド南部のタミル・ナドゥ州チェンナイ、アラコナム及びその周辺の村を訪れ、職業と世系(門地)に基づく差別の問題とダリットの解放運動についての現地学習を目的に、2月6日〜11日の日程で14人の参加のもと行いました。



ブルナド・ファティマ・ナティさん
IMADR−JC(反差別国際運動日本委員会)の協力を得ながら、IMADRの理事でもあるブルナド・ファティマ・ナティさんが代表をつとめるタミル・ナドゥ女性フォーラム(TNWF)農村教育開発協会(SRED)が受け入れ団体としてチェンナイ、アラコナム近郊を訪れることができました。

アラコナムでは、TNWFの地域活動拠点でもあるSREDの施設にある宿泊施設に宿泊しながら、アラコナム周辺の村々の訪問、マサマやセックスワーカーの女性の人たちからの証言やダリットのおかれている現状を聞くことができました。
また、この施設に集まってくる子どもたちとの交流も行いました。

チェンナイ市内のスラム



チェンナイ市内の子どもたち

市内には約300ヶ所のスラムがあり、そのうちの3ヶ所のスラムを訪問しました。
その中の一つでスタッフや住民から現状を聞くことができました。

そのスラムには、約450戸1000人が住んでいて、水道や電気がなく、週に2回、給水タンクに水の配給がありますが、私たちが訪れた時は空でした。
また、医療施設がなく、スタッフが週に1回薬を持って巡回しているそうです。


職業は、男性は運搬業、女性は掃除、洗濯などの家事の手伝いが多く、学校に行っていない子どもたちがゴミの中からプラスチックを集めてリサイクル業者に売ったり、物乞いをして生計の足しにしています。

住民の一人は、「月に600ルピーの収入で借家の家賃を250ルピー払わなければならない。残りのお金で生活しなければならないのはとても苦しい。」と訴えていました。(※1ルピー=3円)



このスラムには200戸の政府が建てた住宅があり、1戸に4人〜10人が住んでいます。
この住宅は運動で建てられたのではなく、個人的に要求した人たちが入居しています。
しかも、選挙の時だけ建設され、選挙が終わると途中でも工事が終了してしまうそうです。

インドには義務教育制度がなく、公立学校の学費が10年で20ルピーから200〜300ルピーに値上げされ、ますます学校に行くのが困難になっています。

移動する車の窓から、線路や河川沿いにスラムがたくさん見えます。
こういった環境の悪い所にしか住めないそうです。
スラムに住んでいるのはほとんどがダリットなのです。

SRED(スレッド)の活動紹介



SREDは1979年に、搾取されている人たちの運動を展開するために、ダリットだけに限定せず、ダリット、先住民族、その他の貧しい人たちを集めて、自分たちの権利が何か侵害されていないかを考えるために設立されました。
スタッフの数は男性11人、女性25人の36人で、各地に8ヶ所のセンターがあり、それぞれに診療所のような施設を持っています。

主な活動は、ダリットの活動が一番多くを占めていますが、ダリット、子ども、先住民族、レンガ職人、マサマ解放運動、農村労働者の運動、土地を持っていない人たちの運動、セックスワーカーの運動、女性問題です。

スタッフの中から10人の代表を決め、職員の労働時間や給料などを代表たちの話し合いで決められています。
また、決定機関として理事会のようなものがあり、職員、外部関係者、一緒に活動しているNGOで構成されています。

スキット(寸劇)や歌、ダンスを通しての啓発活が重要な活動として行われています。




更 新 情 報







担当からのコメント