トップへ トップへ  当NPO概況  資料  リンク
イベント情報 投稿記事 狭山事件 差別事件 クローブアップ オススメ コラム

セックスワーカーからの証言


性産業に携わっている人たちがここにいて,運動にかかわりながら違う職業に携わる運動を始めています。

Aさん


パナワッカムという村にいます。
お母さんが亡くなってある男性と結婚しました。
その男性は再婚で,私は2人目の妻でした。

結婚した後,夫は私に暴力を振るうようになりました。
夫からの暴力に我慢できなくなり家を出なければならず,教育を受けていないし,職業に就く能力もなく,お金をどうして稼いだらいいのか分からなかったので,このティルタニという有名な寺院の近くで性産業をするしかありませんでした。
水を飲みたくてもいろんな人から馬鹿にされて水が飲めなかったり,そんな状態でした。



Bさん


結婚した相手は障がいで話せない人でしたが突然いなくなってしまい,その時から自分の家族と一緒に住んでいました。
どこに行ってしまったのかも分からず,生活が苦しかった時,突然知らない人が家に来て,「あなたはお金がいるでしょ。いい仕事があるから。家事労働とかを手伝ってお金を稼げるところがあるから紹介してあげるよ。」そういうことを言いました。
それを信じて付いて行ったらいきなりブローカーみたいな人に売られてしまいました。
だから今こういう産業についています。
そういうふうに騙されて,今ティルタニに来ています。

警察は性産業に就いているのを知っているので,市場に行って買い物をすることもできません。
普通に市場へ行って買い物をしているのを見つけると暴力を振るったりするので、自由に生活をすることもできません。
性産業に携わっているというのは麻薬をやっているのと同じくらいとても罪であるといわれていて,人身売買しているのと同じように見られているので,今性産業に携わっていないとしても,捕まえるぞと脅しに来たり,実際に捕まったりしています。


ここにいる女性ははじめから性産業に携わりたいと思っていたのではなく,夫がいなくなって生計が立てられなくなったなど何かしら理由がある人たちです。

いったんこの産業に携わってしまうと,ここから抜け出すことがすごくたいへんです。
そんな中,一旦抜け出したとしても,また戻って来てしまう人がいるのでそういうことがないように運動しています。

性産業が違法であるということはみんな分かっているのですが,それしか術がありません。

いつ捕まるか分からないという警察への不安もあります。
稼いできた決して多くはないお金を警察がよこせと言ってきたり,セックスを強要してきたりします。
もし言うことを聞かない時はその罪で捕まえるぞという脅しを言ってきたりします。
それを断ることも,ついて行くこともすごく怖いというのがあります。
それと,その辺りにいる性産業に携わっていることを知っているゴロツキが金を要求してくるということもあります。

警察やゴロツキにお金をどんどん奪われていく中で,ほんの少ししか残っていないお金で生活しています。
親にはこちらに来て仕事をしてお金を稼いでいると伝えていて、性産業に携わっていることは伝えていないので,残ったお金の中から家にお金を送っています。
家族にこういう産業に携わっていることを言うと家族から見放されてしまうので言いたくないという思いがあります。
この中に夫がいる人もいますが,夫からも見放されるし,夫の家族からも見放され,もう戻ってくるなと言われる人もいます。
夫から暴力を受けて頭を何針も縫うケガをした人もいます。

この運動が始まったのが1998年です。
まずはじめは,警察の暴力から守るために立ち上がった運動です。
警察からの暴力といきなり刑務所に入れられてしまうことを打開するためにはじめた運動団体です。
この団体が今、何をしているかというと,一つ目は,1階に診療所を開設しています。
毎週木曜日に女性の医者が来て,彼女たちが病気をしていないか,健康状態は大丈夫かを診ています。
1人5ルピーを払って診てもらいます。
何か悪いところが見つかると必要な治療を全部してくれます。
5ルピーでは普通の病院ではとても無理です。
その5ルピーは運動に使われます。
2つ目はコンドームを使うように教えることです。
3つ目は法律です。
何の理由もなく捕まらない。
そういうことを知らないからそういった知識を教えてつけていく。
4つ目は,そうやっていったん捕まってしまうと200〜300ルピーを支払わないと出てこれない。
弁護士を通さないと3000ルピー出せと言ってくる。
出さないとずっと居なければならないが,このセンターに弁護士がいるので,その事務所に3000ルピーも要らないときちんと言ってくるように指導している。

二度と性産業に戻らなくていいように手作業の訓練をここで行っています。
バスケットを作る技術を身に付けたり,紙でできたお皿を作ったり,ミシンを使ったりなど自分で何か作れるように訓練しています。



話を聞いてセンターから出る時に一人の女性がSREDのIDカードを見せながら、『警察が脅かしに来たら、このカード見せ、「私はSREDの活動をしているメンバーだ。」と言います。そうすると警察は去っていきます。』と誇らしげに話してくれました。



更 新 情 報







担当からのコメント