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県連事務局研修(知覧)を訪れて

西川 奈美
 今回、事務局研修旅行ということで、鹿児島県の知覧を訪れました。
 何の予備知識もなしに参加し、「特攻隊」の存在は知っていましたが、その出撃の地であったこと、どの様な経緯で“神風特攻隊”が作られていったのか等、知覧特攻平和会館を訪れて初めて知りました。

 “平和ボケ”であろう自分自身は、あらためて戦争の理不尽さと、平和のありがたさを痛感しました。
それはやはり、私自身が息子を持つ母であることで、もし、自分の子が特攻兵だったら・・・と想像してみると居たたまれない気持ちになるからです。
出撃前に残した家族への“遺書”には、「お国のため、家族のために立派に任務を果たします。」と凛々しい言葉を綴っていますが、やはり、生身の情の通った人間なのだから、恐怖や憤り、悲しみや苦しみといった様々な感情を押し殺し、大切な人たちと身を引きちぎられる程の思いで別れを告げたことでしょう。

 “特攻隊員の母”と呼ばれた鳥浜トメさんとの別れも同様だったでしょう。
出撃して行く特攻兵に「じゃ、おばさん、行ってきます」と言われ、返事ができず、小さな声で「ご無事で行ってくださいね・・」というのが精一杯。
(敵艦を見つけるまではどうぞご無事での心だが、われながら意味をなさない言葉・・)と振り返っています。

 ある特攻兵の“遺書”に、「私は人間ではなく、突撃飛行機の機械の一部なのだ。」という一節がありました。
私は切なくなり何回か読み返したほどです。
現在の軍事技術なら、百パーセント命中するでしょうが、この頃の命中率はどうなのだろう?
 命中してこそ、その尊い命がかろうじて報われるかもしれないが・・・ トメさんの思いと重なるような気がしました。
 そして何より、“人権”のかけらも無い。
人間としての何の尊厳もなく、機械の一部と思い込まされる、思い込まなければ出撃していけない。

 こんな、悲惨な戦争を私自身も子どもに語り継ぎ、日本の恒久平和の信念と意味を教えられるような母親になりたいと思います。
 今回の知覧への研修旅行に参加させていただき、本当に有意義でした。また、機会があれば訪れたいと思います。

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