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最後に





私にとっては16年ぶり二度目の沖縄。

空港も新しくなっていて、鉄道のなかった沖縄にモノレールも開通していた。
以前訪れたときは、ちょうど今回の参加者たちと同じような年齢で、青年リーダーとして子ども会活動に関わっていた頃だった。
しかし、単なる観光旅行で、青い海や青い空に感動しているだけだったことを思うと、彼らはその何倍もの貴重な体験をしたはずだと思う。
以前の研修会での体験や思いを、毎年小学校で話す青年リーダもいる。
教師が教えるのではなく、身近な“お兄ちゃん”が自分の言葉で語る体験は、小学生達にとっても素直に聞けるのだと思う。
今回の金城先生との出会い、何もかもを奪う戦争のない平和な社会への願い、その思いをそれぞれの地元での子ども会活動に活かしていってくれることだろう。

ひめゆり平和祈念資料館で、自らの体験を語る生存者の方がおっしゃっていた。

「軍国教育のもとでは、お国のために死ぬことはよいこと、投降すれば鬼畜米英に殺されると教えられた。壕の外から米軍が、かたことの日本語で“水あるよ”“食べ物あるよ”と言っても、とても信じられなかった。しかし、助かってみれば鬼畜米英ではなかった。事実を正しく伝える教育の大切さを訴えていくのも、生き残った私たちの使命なんです。」と。

そして、「戦争を始めると決めるのも政府、でも戦争をしないと決めるのも政府なんです。」と。

今の情報化社会では、テレビや新聞、インターネット等を通して誰もがいろんな情報を手に入れることができる。
だからこそ、その中で正しいものとそうでないものを見極める力が必要となってくる。
世界中の人が平和な社会を望んでいるはずなのに、今なお戦争が続いている地域もあり、テレビ等でその映像を見ることもできる。
しかし、それはテレビの中の出来事ではなく、何人もの命を奪っている、理由づけされ堂々と行われている殺人に過ぎないのだと思う。


ひめゆり学徒隊の生存者が、40年余り過ぎた今も心に大きな傷を負っている。
たとえ一時の戦争であったとしても、その傷は一生背負っていかなければならないほど重いものだということを強く心に刻んだ旅でした。


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