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街づくりレポート 滋賀県栗東市十里地区
〜「浸水のまち」から「親水のまち」へ〜

取材:池田 清郎

「栗東市の十里地区」


9月17日から滋賀県大津市で開催された、ある集いに参加する機会があった。

翌18日は、参加者による「現地視察」があり、私は「栗東市の十里地区」を視察することになった。

十里地区は市の北西部、守山と草津にかこまれた田園の中に浮かぶ80世帯ほどの地区だ。



道路、住宅、公園などが見事なほど整備され、それでいて機械的で無機質な仕上がりでなく、土とみどり、安全性と空間が生かされていた。

説明してくれた十里会館の館長さんは「ここの地区は、すり鉢の底にあり、大雨の時に、いつも水がついていました」。
もともとの十里地区は、「浸水に苦しまされたまち」だった。






密集した老朽家屋と低湿地、1970年代よりはじめられた環境改善事業は、小規模の改善にはなったものの根本的な解決には至っていなかった。


そうしたなか、「誇りと愛着がもてるまちをつくろう!」ということが自治会や部落解放同盟支部から提起され、住民の総意のもとに「十里地区まちづくり事業推進委員会」が発足した。
1997年のことである。

この頃は、同和対策事業にかかる法律も終息近くで、ほとんどの事業が一般対策に移行した時であった。
そうした意味から従来のイメージにある特別対策という手法がとれない極めて困難な情勢にあった。
市や県との交渉、国への陳情と現地視察、住民はいくつものハードルを越えて行った。



「浸水に苦しめられたまち」から「水に親しむ、親水のまち」への切望からだった。


住民と行政でワークショップによる
計画の策定作業が続けられた

取り組みは、従来からの環境整備とは決定的に違って、行政と住民がプランづくりの主体として参加する「ワークショップ」によるものだった。
国の補助事業による公共投資(不良住宅の買取・整地、道路、水路、公園、公営住宅などの整備)住民の負担(分譲地の買い上げ、住宅の建設)自主的な景観形成と保全(環境協定の締結)という三つを柱に、委員会発足から5ヵ年で竣工するという超スピードであった。


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